Masa’s Pastime

2013年02月03日

先月の半ば、パスタイムで 「プロモーションビデオ」 の撮影があった。




これは昨年秋に思い付いた企画で、、、ホームページにおける各種画像や説明文といった静的情報に加え、実際の作業風景や店の雰囲気等を 「Uチューブ」 で流し、動的な情報にして紹介するのがその狙いだ。





さて、当日撮影にあたったのは20代の若者2人。




1人は映像担当の 「S君」 、もう2人は音響担当の 「H君」



2人は、「時計ライター」 をしている古くからのお客様の紹介でやって来た。





昨年末の打ち合わせの際の印象は、、、まさに今時の若者といった感じ。




ニット帽を被ったS君と、スケボーを手に現れたH君。




正直 「大丈夫?かなー」 という感じがあったのだが、、、どうしてどうして、二人とも仕事にあたっては、まさに真剣そのものだ。




撮影が始まると、ちょっとした光の角度や動き等にも徹底的にこだわりを見せて一心不乱に撮りまくり、、、「これじゃー、ダメだ!」 「これならどうだ!?」 と大奮闘。




しまいには、スケボーに載せたカメラをゆっくり動かしながら撮影、などというような裏技も使いつつ、、、気がつけば5時間以上もの間、一息も入れることがなかったのだ。





結局撮影が終了したのは、パスタイムの閉店時間をとうに過ぎた、夜9時過ぎ。




「グーーーッ」




機材を片付けていたH君のお腹が見事に鳴ったのを聞いた私は、、、若い2人に晩飯を付き合ってもらうことにして、店のスタッフとともに焼き鳥屋に乗り込んだのだ。




(続く)


posted by Masa’s Pastime at 18:24 | Comment(0) | 新着情報

2013年01月30日

全く弱ってしまう。




金・銀の値段は、一体どこまで上がるのか?




このところやや落ち着いてはきたとは言え、今月半ばには銀が 「グラム90円」 、金が遂に 「グラム5000円」 を突破し、32年ぶりの高値となったのだ。





確か去年も同様の話しをしたような気がするが、、、あの時はそろそろ落ちてゆくと思っていた。



しかし実際には、それからグイグイと上がり続けたわけだ。





金や銀の値段が上がると、一体何が困るのか?



投資目的で先物相場をやっている方にとっては悪いことではない筈だが、私にとっては困る。



何故なら時計の値段が上がってしまい、、、商品を仕入れのが難しくなるからだ。




ステンレスやニッケルケースの時計に関しては問題ない。



しかし 「アンティークのポケットウォッチ」 に関して言えば、ハイグレードな時計は圧倒的にK14やK18の 「ゴールドケース」 のものが多くなるのだ。




そもそも私が昔から付き合っているアメリカやヨーロッパの時計商は、元々 「Pawn Broker」 の連中が多い。



「Pawn Broker」 とは日本で言うところの 「質屋」 で、、、元々は日々持ち込まれる金銀のジュエリーや時計等の評価額に応じて一定額を 「貸付け」、若しくは 「買取り」 する商売だ。  



彼らがそれぞれのジュエリーや時計を評価する際のベースになっているのは 「金銀の重量」



近年でこそ時計屋らしく 「銘柄や状態」 によってそれなりの評価をするようになっているが、、、ついこの間までは、時計を量りに乗せて目方を測り 「ハイ、これなら100ドルね」



子供の頃の 「焼き芋屋」 のような調子だったのだ。




例えばここに、50ミリ程度の 「K18の大振りなポケットウォッチ」 があったとしよう。



こんなサイズの時計だと、時計の重量が150グラム、ケース単体で計っても100グラム近いものもある。



仮にケースが100グラムだった場合、この時計を彼らが買い取る際の目安は、おおよそ 「100グラム×¥3400(K18単価・1/29現在)」 が基準になるから、、、これは日本円にして約 「¥340.000」 



これがK18の値段が¥2000であったつい数年前なら、「100フラム×2.000円で¥200.000」 、つまり同じ時計でも、地金ベースで¥140.000もの違いが出る訳だ。




問題は 「値段」 だけではない。



金銀地金が高騰すると、多くの金時計は 「裸」 にされてしまうのだ。



例えば、先述のような立派なゴールドケースに入った時計が店頭でしばらく売れ残り、そしてそのうち地金の値段が更に跳ね上がったりすると、、、?



そう。 



当面の利益確保の為、ケースはムーブメントとバラバラにされ 「スクラップ」 行き。



つまり手っ取り早く 「地金」 として売却され、、、専門業者によって溶かされてしまうのだ。




こうして、昔から金銀の相場が上昇するたびに大量の時計が 「裸ん坊」 にされ、、、結果、完全な状態のアンティークウォッチは、年々少なくなってゆく。



「アンティークウォッチの愛好家」 が確実に増え続けているのに 「良品」 は少なくなってゆくから、当然「需要過剰」 になる。



そこへ持ってきて 「地金の高騰」 が追い討ちをかけるのだから堪らない。



「店にある時計が高く売れていいじゃないか!」 と思う向きもあるようだが、、、実際には、余程のことがない限り、既存商品の値段を上げることなど考えられないのだ。




その他、「ケースの修理」 「ベゼルの製作」 等、うちでは毎月結構な量の金銀材料を注文しているが、これらの値段は問答無用に 「時価ベース」 で上下する。



もっともこれらに関しては、仕方なくお客様にその分の負担をお願いしているが、、。




今後、一体どういうことになってゆくのか?!



そうでなくとも、来年からは 「消費税」 の問題も出てくるし、、頭が痛い。




「頼むから、何とか。 何とか下がってくれー!!」 



「空売り」 を入れた相場師よろしく、、、今はただ、天に向かって祈るばかりなのだ。


posted by Masa’s Pastime at 18:22 | Comment(0) | 新着情報

2013年01月27日

先日、こんなお客様がいらっしゃった。




「最高の時計が欲しい。 これ一つあれば他はもういらない、という時計を奨めて欲しい。」





実は同じような要望は、過去にも何人かの方からいただいた。




しかし私はその度に 「残念ながら、そういう時計はございません」 とお断りしている。




何故か?



アンティークウオッチはそれなりに高価なものだから、どうせ買うなら 「あーっ、もっといいのを買っておけば良かったな」 と後悔したくない、ということなのだろう。




この気持ちは、実に良く分かる。




散々考えた挙句に 「よし、これだ!」 と大枚をはたいて時計を入手したら、、、その後、もっと魅力的な時計(魅力的に見える時計?)が店頭に並んだら?




「失敗した、、、こっちにしておけば良かったなー。」 と、そう思いたくないという訳だ。




でも、ちょっと待って欲しい。



「解決不能な決定的不具合のある時計」 または 「偽物」 「コピー品」 等を購入してしまった場合なら、、、、「失敗した」 も仕方ない。



しかし、これはきちんとした専門店で時計を購入すればまずは問題のないことだし、、、少なくともうちにいらっしゃって、そういう心配をなさる方はいないと思う。




でも手に入れた時計が 「最高の時計」 「これ一つあれば他の時計はいらないという時計」 でなかった、ということで 「失敗した」 はどうだろう?



そもそもそんな時計は、現実に存在しない。



何故なら、如何に素晴らしい時計でも、、、ある部分では必ず 「ない」 部分があるから。




例えばここに、天文台コンクールに出品され、金メダルを獲ったパテックフィリップの 「エクストラ」 が新品同様の状態で入荷したとしよう。



これは言うまでもなく 「アンクル式の高精度型時計で」 という条件にてらせば、間違いなく最高レベルのものの一つだ。



しかし、、、しかしである。




幸運にもそんな時計を手にした方ならこれ一つで満足し、これで 「上がり」 となるかというと、、、残念ながら、そうはならない。



何故ならその時計には、「ミニッツリピーター」 も 「パーぺチュアルカレンダー」 も付いていないし、、、ケースに 「美しいモチーフのエナメル画」 も無ければ、 18世紀の時計のような 「美術工芸品としての佇まい」 もないから。



「アー、いい音で鳴るなー、、、ミニッツリピーターもいいなぁ」 「綺麗なエナメル絵だなー。 こういうのもいいなぁ」 とか、「やっぱり時代の古い手作りの時計はちがうなぁー。 精度が悪いって言っても、精度なんかどっちにしても電波時計には勝てないしなー」



結局、こういうことになりがち。




つまり 「万能なアンティークウォッチ」 「万能な時計」 というものは存在せず、、、一つ一つの時計に、それぞれ別個の良さがあるということ。



この点は 「全てにおいて秀でた人間」 が存在しないのと全く同じことで、、、一つの時計に全てを求めるのは間違いなのだ。




こんなことを言うと 「店に都合のいいことばかり言って!」 と思われるかもしれないが、、、そうではない。



数ある中から縁あって手にした時計を、大事に思って欲しいのだ。




何事にも、「後ろ向き」 は良くない。



「もしかしたら、もっといいのがあったんじゃないか?」 という、発想。 




確かに理屈で考えれば、、、手にした時計が全てにおいて世界で最高、などということは有り得ないだろう。



しかし、そんなことをいつも思っていたら、キリがない。



奇跡的に 「最高の時計」 を手にしたところで、それがそうなのだと知る術はない訳だし。



結局、いつまでたっても満たされた気持ちになれる訳がないのだ。




マリリンモンローみたいに色気があって、吉永小百合のように清廉で、キューリー夫人のような頭脳を持ち、、。



そんな女性が存在しないしないことは、百も承知。



うちのカミさんなど、、、どれにもカスってすらいないが、、、しかしこれは 「お互い様」 だから、仕方ない。



完全に話しがズレてきたが、、。




一人に全てを求めてもそれは無理、と言っても、アラブの王様ならいざ知らず、、、カミさんの数をどんどん増やす訳にはいかない。



しかし時計なら、、、それが出来るのだ。




、、と、やっぱり 「時計屋に都合のいい話」 になっちゃったようなので、今日はこの辺で。



皆さんまた来週お会いしましょう!!


posted by Masa’s Pastime at 19:16 | Comment(0) | 新着情報

2013年01月25日

先週の休日、しばらくぶりに市場に行った。



その日の晩にご近所さんの 「Tちゃん一家」 と予定していた 「ブリシャブ」 の材料を買い込みに行ったのだ。




しかし市場に到着すると、、、残念ながら、いいブリがない。




ちなみに、元々スーパーや素人市場で売っている 「ブリ」 はブリというほどの大きさのものではなく、、、せいぜい関東で言う 「ワラサ」、 関西で言う 「メジロ」 クラスの大きさ。



ご存知の方も多いと思うが、、、出世魚であるブリは、「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」(関東の場合)と、成長にともなって呼び名が変わる。


いずれもハッキリした目方の基準はないようだが、、、通常 「ブリ」 と呼ばれるのは8キロ以上になった成魚のこと。



しかし充分に成長し脂の乗り切った旬の 「寒ブリ」 は大変高価で、、、その多くは築地を通して高級料亭や寿司店などに流通してしまうのが現状なのだ。




そんな訳だから、せいぜい 「一サク¥1000〜¥1500程度」 で売っている魚を 「ブリでない」 と言って、目くじらを立てるつもりはない。



いつも食べている 「ワラサ」 クラスだって充分に美味しいし、、、脂っこいものが嫌いなカミさんなどは、むしろそっちの方を喜んで食べるのだ。




しかし、この日の 「ブリ」 は、ワラサですらなく、まあまあ大き目の 「イナダ」 というところで、、、人間で言えば、まだまだ中学生クラスの大きさ。



鮮度は充分に良さそうだったが脂の乗りはまだまだ未熟で、、、「ブリシャブ」 をするにはもう一つの感が、、。



まあそうは言っても無いものは仕方がないので、結局そのイナダのサクを2つにヒラメ、その他子供達の喜びそうなサーモンや3種類のイカ(ヤリイカ、コウイカ、ミミイカ)等を買い込んで、帰路に着いた。




「大丈夫かなぁ、、?」



買ってきた 「ブリ?」 のサクをペラペラに削ぎ切りしながら、、、その身肉の若々しさに、一抹の不安、、。



その分 「ノルウエーサーモン」 はこれでもか!、というほど脂が乗っているが、、。




「ピンポーン!」



約束の時間になって、Tちゃんの奥さん、2人の元気な息子達がやって来た。



休日出勤のTちゃんは、少々遅れて参加するようだ。



同じ小学校に通う子供達4人はすぐにケン玉に夢中になり、、、大人3人はビールで乾杯。




奥さん手製の豚の角煮やサラダをツマミに、、、私と奥さんは日本酒に突入。



カミさんはワインを飲み始めた。



お腹が減って我慢できない子供達は、子供テーブルで一足先に 「シャブシャブ」 を開始し、皆猛然と食べ始める。



よく見ると何と言うこともない、、、ブリもサーモンもヒラメもイカも、シャブシャブなどせずにそのままパクパク食べているではないか!




あっという間に何杯かのご飯とシャブシャブの具?を平らげた子供達が再び遊び始めた頃、、、仕事を終えたTちゃんが到着した。



いよいよ大人のシャブシャブ開始。



しかし、心配した 「ブリ」 の脂の未熟さは、、、?




「旨いっすよー!」 「充分充分ー!」



気遣ってくれるTちゃん夫妻を横目に、、、「どれどれ?」 と私も。



「モグモグ、、」



二人の気遣いは有り難く、、、「ん、、?!」 、、 しかし、それは別としても、確かに思いの他イケた。




脂の乗りはイマ一つだが、、、以外に旨い。



イカやヒラメのさっぱりした感じとは明らかに別種の、しっかりとした味があるし、、、それに脂だらけのサーモンを食べた後など、一転して清清しい感じがした。




その晩、そんな風にして安心した私は、優しい友人夫妻と大いに飲み、食べた。



お互いに用意した料理は全て食べ尽くし、、どの皿も、全部空っぽ。



気が付けば時計の短針は真上を向いていて、、、遊んでいた子供達がダウンする時間になっていたのだ。


posted by Masa’s Pastime at 15:22 | Comment(0) | 新着情報

2013年01月23日

休み明けの今日、パソコンを立ち上げると、ちょっと風変わりな 「注文メール」 が入っていた。




Dear Sir,

Please check our Purchase Order on the attachment, and give us your actual price.

Best regards,

Wong Lee

Canatex Industrial Co,. Ltd
TEL: 886-6-2905642
FAX: 886-6-2905706




要は 「添付した注文書を見て、実際の支払い金額を教えて下さい」 というような内容。



確かにメールの画面下には 「Zip」 が添付されている。




「Wong Lee」 という名前からすると中国の人のようだが、、、聞き覚えはない。



添付された 「Zip」 を開いて見る前に、「Canatex Industrial Co,. Ltd」 という会社を検索してみると、、、台湾にある工具メーカーのようで、なかなか立派なホームページがあった。




ちょっと安心したが、しかしどうにも腑に落ちない。



時計の注文や修理の依頼なら、まずはメールの文面にもう少し説明があってもいいような、、。



海外からの注文や依頼の場合、通常は 「私はどこどこの誰々で、そちらの時計を注文したい」 とか 「持っている時計を修理して欲しいが、発送してよいか?」 というような話しになるものなのだ。




少々考えた挙句、うちの中では一番ネットに明るい岩田に聞いてみると、、、「あ、これ怪しいっすねー」



私のよく分らないことをパチパチとやって問題の 「Zip」 を何らかの解析に掛けると、、、「やっぱりなー」



どうやらこのZipには 「危険度の高いコンピュータ-ウイルス」 が埋め込まれていたらしく、、、もし私が何気なくそれを開いていたら、うちの顧客情報や時計のデータ等が破壊されたり持ち出されたりしていた可能性がある、とのこと。



そんなことになれば、どっちにしてもタダでは済まないのだ。




それにしても、一体全体何が目的でこんなことをするのだろう?



国家の防衛機密等なら目的はハッキリしているが、、、。



盗んだ 「顧客情報」 を、何らかの商売に利用するつもりか?



或いは、うちに対する単なる 「嫌がらせ」 なのか?



いずれにしても、危ないところだった。



周りに誰もいない時なら 「ちょっと見てみるか」 などとやっていた可能性もあったから。




こういう手合いは、まさに 「社会のゴミ」



一刻も早く、世の中から消えて欲しい。



私は件のメールを 「ゴミ箱」 に叩き込みながら、、、心からそう思ったのだ。


posted by Masa’s Pastime at 14:12 | Comment(0) | 新着情報

2013年01月20日

「イテテテッ、、。」




今朝、胃の痛みで目が覚めた。





枕元の目覚ましを見ると、まだ6時前。




ゆうべ眠ったのは確か3時前だった筈だから、まだもう少し寝ないと、、、。




次女と長女の間の狭いスペースで背中を丸め、何とかもう一度眠りに入ろうとするが、、、痛みが邪魔をして、どうにも寝付けない。




結局芋虫のようにゴロゴロしているうちに7時過ぎになり、、、隣の部屋で寝ていたカミさんも起き出してきた。





私は昔から胃痛持ちだった。



始まりは、20代の頃。



当時乗っていた 「ポンコツのワーゲン」 がしょっちゅうエンコする。



通勤で東村山の実家から八王子まで通っていたから、これは困る。



数箇所の修理屋に出したが、どうにもならず、、、当時のお客さんの伝手でやっとこさ旧車の修理を専門にしているところを界隈に見つけ、早速依頼した。




おおよそ1月後、「直りましたよ」 の電話。



嬉々として引き取りに行くと、「ブーン!」



おお、エンジンが調子良く吹き上がっているではないか!




修理費用の30万円ばかりを支払い 「これでやっとイライラから開放される」 、と喜び勇んで中央高速に乗ってしばらくすると、、、「ブスブス、、、ストン」



急激に元の状態に逆戻り!



たまたま料金所の近くだったから、片手にハンドルを握り、もう一方の手で車体を押して、 「ウンセウンセ」 と料金所を通過。



そのまま下り坂を利用して何とか車は高速から降ろしたが、、。




件の修理屋に電話すると、「すぐには行けないからそのまま置いておいて下さい」 との返事。



仕方なく車は路肩に放置し、、、電車に乗って帰ってきたのだ。




翌日だったか?、、、現場に行った修理屋から電話があった。



「警察にレッカー移動されてますよ」 と言う。



「クソーッ!」



その後、移動された先の駐車場から再び電話があった。



「問題なくエンジン掛かりますけどねー」 と言う。




その車はいつもそうだった。



いつもエンジンは一発で掛かる。



暫くは調子がいい。



ところがエンジンが暖まって暫くすると、、、突如 「ブスブス、、ストン」 とエンコするのだから性質が悪いのだ。




結局そのまま再度修理に入ったその車がその後完全に復活することはなく、、、私の得たものは 「再修理の請求書」 と 「レッカー代を含めた駐車違反の反則切符」 のみ。



しかしよせばいいのに、その車を諦めた後に更に別のタイプのポンコツワーゲンを手に入れ、、、またもや同じ症状に悩まされることになったのだ。




そんなある日、ダイビングショップで 「プール講習」 をしていたら、、、「イテテテッ!」



水中で凄まじい胃痛を起こした。



講習が済むまでは何とか堪えたが、、、プールから上がると、胃が痛くて背筋を伸ばせない。



あまりに痛くて、しばらくは店の床でコロコロ転がっているしかなかった。




その後、ボスに許可をもらい病院に行くと、、、「急性胃炎ですね」 と担当医。



状況から考えて 「神経性の急性胃炎」 だろうという。



店に帰って医師の所見を話すと、、、周りの連中は笑い転げた。



つまり 「ポンコツワーゲン」 のせいで急性胃炎になった 「間抜けな男」 という訳だ。




それ以来、、、極度にイライラしたり腹を立てたり、それからあまりに悲しいことがあったりする度 「イテテテッ」 となるのが癖になっている。



だから普段はなるべくそうならないよう努めているのだが、、。




昨夜は、いつもの 「魚吟」 でつい先週隣り合って釣りの話をしていた同年代の常連氏が、、、その翌朝に亡くなったことを知った。



10キロ近い 「大鯛」 を手釣りで上げた時の話しを、本当に嬉しそうにしていたのに、、。



その他言うに足らないことも加わり、、、あまり良い日ではなかったのだ。




明日はようやっとあまり風の吹かない予報。



「釣れない釣れない」 とイライラすれば逆効果だが、、、長年痛めつけている我が 「胃」 のためにも、久し振りにのんびり釣り糸でも垂れてこようかな、と思っている。


posted by Masa’s Pastime at 16:21 | Comment(0) | 新着情報

2013年01月11日

この年末、初めて老眼鏡を買った。




周りからは 「凄く楽だよ」 と勧められながらも 「まだ俺は大丈夫だ!」 と頑なに拒んできたのだが、、、ここに至って、遂に落城したのである。





きっかけになったのは、メキシコから一時帰国している 「G」 だった。




「G」 は私のダイビング屋時代の後輩で、後にアメリカでも一年余り一緒に暮らした相棒。




もっとも後輩とは言ってもトシは一つしか違わないから、筋金入りのオジサンだが。





昨年暮れの29日、このGと私の長女の3人で、府中の市場に向かった。




この東京卸売り市場には築地直送の魚をはじめ、食肉、野菜となんでも揃っている。




私が長女を連れて正月用の 「カニ」 の仕入れに行くと言うと、かつて10代の頃にこの市場のマグロ屋をやっていたGは、そこで働く昔の仲間に会いがてら同行したのだ。




年末ということで、市場の中はごった返していた。



カチンカチンに凍ったマグロを、電動ノコギリで切り捌く男。



一抱えもある肉の塊を、大きな庖丁で切り分ける男。



大声で叫びながら、大量の野菜を売りさばくオバちゃん。



その中の、知った顔の連中に話し掛けるG。



皆しばし手を止め、懐かしそうに肩を叩いたり、30年ぶりにひょっこり現れた男に目を丸くしたりしていた。




一通り用が済んだ私達が出口に向かって歩いていると、、、食品の通路の一角で、何故か大量の 「老眼鏡」 を売っている老人が。



なかなかスタイリッシュ(?)なプラスティック製の眼鏡だが、どれも「¥580」 均一。



長女の手を引きながら通り過ぎようとしたところ、Gの足が止まった。



なにやら片っ端からかけてみていたと思ったら、、、5本ほどまとめ買いしているではないか。




「そんなに買ってどうすんの?」 と尋ねると、



「海に出た時に落としたり壊したりしてすぐになくなっちゃうんだよ。 不便で仕方ないから、安くて気に入ったのをみつけるとまとめて買っておくんだ」 とG。



ちなみに25年ほど前に私が時計屋になった少し後、奴はメキシコに渡り、、、以来カリオルニア半島の 「ラ・パズ」 という港町で、ダイビングサービスを運営している。



また、「クジラ」 をはじめとする海洋生物の生態の研究・撮影をライフワークにしていて、、、この数年NHKなどの海洋番組の映像を観ると、殆どと言っていいほど登場するようになったのだ。




「中島君も掛けてみたら? オジサン、とっくに老眼入ってるでしょ?!」 



そうGに言われて、、、 「ものは試し」 と掛けてみた。



すかさず売り手のジイさんが、小さな字の並んだ何かの説明書のようなものをよこす。




「ガーン!」



ムチャクチャ良く見えるではないか!!



確かに最近、伝票の小さな字が見えにくくなっていた。



時計の文字盤に書いてある 「メーカー銘」 なども、、。



ショックを受けつつも、、、、私は長女の見立てで、出来るだけ 「オジイちゃんぽくないやつ」 を1つ貰って帰ったのだった。




うちに帰って、さっそく本を読んでみた。



「見える、、。 実際、こんなに見えていなかったとは、、。」




「何、それっ? イヤー、オジイちゃんみたい」 



市場に同行しなかった次女にからかわれ、、、トイレに行った後、頭の上に乗っけたまま 「あれっ、眼鏡どうしたっけ?」 とやってカミさんに馬鹿にされ、、、しかし、もう手放せない。




その夜、眼鏡を頭に乗せたまま外出し、ユニクロに行った。



釣り用の防寒着をまとめ買いし、うちに戻ると、、、「あれっ?」



本を読もうと頭に手をやったが、、、眼鏡がない!



きっと試着を繰り返しているうち、店内のどこかに落としたのだろう。




「¥580」 の老眼鏡



いや、実際には大量に買い込んだGのおかげで、ジイさんは¥500にしてくれたのだが、、。



しかし、金の問題ではなく、、、不便で仕方ないのだ。



つい昨日まで、眼鏡無しで目を凝らして本を読んでいたのに。



「んー、、。」




夢中になって大量の眼鏡を買い込んでいたGの顔を思い出した。



「不便で仕方ないからまとめて〜」



その言葉の意味が、、、この夜、身に滲みて解ったのだ。


posted by Masa’s Pastime at 18:41 | Comment(0) | 新着情報

2013年01月09日

「一つくらい身につけてる時計があってもいいんじゃないですか? その方が宣伝にもなるし。」




昨年末、店の者にそう言われて 「なるほど、それもそうかな」 と思った。





私が自分の時計を一つも持っていないことは以前にもお話しした通りだが、、、そんな訳で今ちょっと考えているのだ。




ちょうど引き出しの中には、中古になった下取り品のカスタム腕時計のケースが一つ。




あちこち傷がついているとは言え、私が使う分には全く問題がないし、、、その気になれば新品同様に仕上げ直すことも出来る。





ムーブメントはどうするか?



出来れば貴重な在庫ムーブメントのストックには手を付けたくないが、、、かと言って他に方法はない。



商品にならないほど状態の悪いやつを見つけ出し、頑張って手を入れてやる手(シャレではない)もあるが、、、「宣伝効果」 を考えれば、「それをよこせ!」 となるような見栄えの良いヤツの方がいいか、、。




ダイアルは?



やはりせっかくだから 「グレン・ド・ルジェ」 あたりのパターンのギロシュダイアルで、、、しかし残念ながら自分では出来ない。



ダイアルの製作をやっているのは 「エングレイバーの辻本」 だけだからヤツに頼まなくてはならないが、、、年始からしばらくはお客様のダイアルの製作が続いていて、そんな暇はないのだ。




うーん。



どんなに良い時計でも 「ダイアル無し」 という訳にはいかないから、やはりオリジナルのポーセリンダイアルの付いたタイプにしておくか、、?



しかしそれでは時計屋のオヤジとしては何か物足りないし、、、それに、万一時計を落っことしてポーセリンダイアルを割ってしまったら、貴重な在庫が一つ減ることになる。




あーでもない、こーでもない、としばし考えた挙句、、、中古のケースは元の引き出しの中へ。



結局 「貧乏性」 の私は、、、「My Watch」 が持てないのだった。

オーダー 時計


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2013年01月05日

新春のお慶びを申し上げます!



本年も 「マサズ パスタイム」 を、並びに 「時計屋オヤジの脱線ノート」 を何卒よろしくお願い致します。





皆さんはどんなお正月をお過ごしでしたでしょうか?



のんびり 「寝正月」 を決められた方。



「海外旅行」 に行かれた方。



はたまたお仕事上 「正月は掻き入れ時」 という方。



それぞれ、様々なお正月があったことと思います。




ものぐさな私は、基本的に 「寝正月派」



しかし元旦の2、3日だけは、「魚吟のタケさん」(2010.5/26ブログ ”共同経営”ご参考下さい」 との伊豆釣行が、この数年来の恒例行事になっている。



残念ながら、今回は連日の強風に翻弄されあえなく撃沈。



「お土産程度」 の貧果に終わり、もっぱら現地の知り合いとの 「夜の飲み会」 メインになってしまったが、、、。



まあそれはそれで 「記憶に残る年」 になっていいのかもしれないと思う。




さてさて、10日ほど閉めっぱなしになっていたパスタイムも、今日からいよいよ再始動。



一部年末から持ち越している仕事もあるし、、、新たな企画にも早々手を付けなければ。



毎年同じ事を言っているようだが 「今年こそは!」 という意気込みを持って。



何しろ2013年も、、、残すところあと 「360日」 しかないのだ! 


posted by Masa’s Pastime at 11:08 | Comment(0) | 新着情報

2012年12月26日

空気の凍てつく今朝。



師走だ師走だといって走り回っていたら三鷹から 「特快」 に乗ってしまい、中野まで行ってしまった。




慌てて反対側の電車に飛び乗ると、これまた 「特快」 !




結局三鷹まで戻ってしまい、、、今度こそよく確かめて各駅に乗り換え、ようやく吉祥寺に到着して一息ついた。






2012年も残り僅かになった12月26日




パスタイムの営業も年内最終日になった。




あらためてこの一年を振り返ってみる。





前半期はニューモデルのカスタム腕時計シリーズのリリースに向け、挑戦に次ぐ挑戦。




というと少々聞こえがいいが、、、現実には 「出来ない」 「いや出来た」 「やっぱり出来ない」 「いや、何とかなった」 というようなことの繰り返しだったか。




簡単に見えることが思わず厄介だったり、、、諦めかけていたことが 「最後の一あがき」 で上手くいってみたり、、。



考えてみれば 「頭や紙の上で作るもの」 と 「実際に作り上げるもの」 とのギャップを埋めることの難しさに苦しんだ前半戦だったと言える。





後半は、かなりバタついた。



実にありがたいことに、カスタム腕時計もその他の商品や修理もそれなりに忙しくなり、5人全員がフル稼働。



なかなか思ったようにはかどらず 「納期」 の面でご迷惑をお掛けしたこともあったが、、、私としては 「80点程度」 は付けてもいい仕事の出来だったのではないかと思っている。




今、つくづく思う。



長引く不況。



国家財政の危機すら叫ばれる中、、、不幸にも廃業せざるを得ない同業者もいた。




そんな中で 「納期の心配」 をすること自体、どれだけ有り難いことか?!



うちはこんなことをやっている、一生懸命やっている、などと偉そうにラッパを吹いたところで、、、認めてくれる方がいなければ 「全て無駄」 なのだ。



これはいつでも同じことだが、、、一年を振り返らざるを得ないこの 「年の瀬」 には、特に強く心に迫るのだ。




スタッフ全員、今年もこうして無事に 「年が越せる」 こと。



本当に、本当に心から感謝致します。




本年も誠にありがとうございました。



2013年も、どうかよろしくご愛顧下さいませ。




                    マサズパスタイム   代表 中島正晴


posted by Masa’s Pastime at 18:45 | Comment(0) | 新着情報