全く弱ってしまう。
金・銀の値段は、一体どこまで上がるのか?
このところやや落ち着いてはきたとは言え、今月半ばには銀が 「グラム90円」 、金が遂に 「グラム5000円」 を突破し、32年ぶりの高値となったのだ。
確か去年も同様の話しをしたような気がするが、、、あの時はそろそろ落ちてゆくと思っていた。
しかし実際には、それからグイグイと上がり続けたわけだ。
金や銀の値段が上がると、一体何が困るのか?
投資目的で先物相場をやっている方にとっては悪いことではない筈だが、私にとっては困る。
何故なら時計の値段が上がってしまい、、、商品を仕入れのが難しくなるからだ。
ステンレスやニッケルケースの時計に関しては問題ない。
しかし 「アンティークのポケットウォッチ」 に関して言えば、ハイグレードな時計は圧倒的にK14やK18の 「ゴールドケース」 のものが多くなるのだ。
そもそも私が昔から付き合っているアメリカやヨーロッパの時計商は、元々 「Pawn Broker」 の連中が多い。
「Pawn Broker」 とは日本で言うところの 「質屋」 で、、、元々は日々持ち込まれる金銀のジュエリーや時計等の評価額に応じて一定額を 「貸付け」、若しくは 「買取り」 する商売だ。
彼らがそれぞれのジュエリーや時計を評価する際のベースになっているのは 「金銀の重量」
近年でこそ時計屋らしく 「銘柄や状態」 によってそれなりの評価をするようになっているが、、、ついこの間までは、時計を量りに乗せて目方を測り 「ハイ、これなら100ドルね」
子供の頃の 「焼き芋屋」 のような調子だったのだ。
例えばここに、50ミリ程度の 「K18の大振りなポケットウォッチ」 があったとしよう。
こんなサイズの時計だと、時計の重量が150グラム、ケース単体で計っても100グラム近いものもある。
仮にケースが100グラムだった場合、この時計を彼らが買い取る際の目安は、おおよそ 「100グラム×¥3400(K18単価・1/29現在)」 が基準になるから、、、これは日本円にして約 「¥340.000」
これがK18の値段が¥2000であったつい数年前なら、「100フラム×2.000円で¥200.000」 、つまり同じ時計でも、地金ベースで¥140.000もの違いが出る訳だ。
問題は 「値段」 だけではない。
金銀地金が高騰すると、多くの金時計は 「裸」 にされてしまうのだ。
例えば、先述のような立派なゴールドケースに入った時計が店頭でしばらく売れ残り、そしてそのうち地金の値段が更に跳ね上がったりすると、、、?
そう。
当面の利益確保の為、ケースはムーブメントとバラバラにされ 「スクラップ」 行き。
つまり手っ取り早く 「地金」 として売却され、、、専門業者によって溶かされてしまうのだ。
こうして、昔から金銀の相場が上昇するたびに大量の時計が 「裸ん坊」 にされ、、、結果、完全な状態のアンティークウォッチは、年々少なくなってゆく。
「アンティークウォッチの愛好家」 が確実に増え続けているのに 「良品」 は少なくなってゆくから、当然「需要過剰」 になる。
そこへ持ってきて 「地金の高騰」 が追い討ちをかけるのだから堪らない。
「店にある時計が高く売れていいじゃないか!」 と思う向きもあるようだが、、、実際には、余程のことがない限り、既存商品の値段を上げることなど考えられないのだ。
その他、「ケースの修理」 「ベゼルの製作」 等、うちでは毎月結構な量の金銀材料を注文しているが、これらの値段は問答無用に 「時価ベース」 で上下する。
もっともこれらに関しては、仕方なくお客様にその分の負担をお願いしているが、、。
今後、一体どういうことになってゆくのか?!
そうでなくとも、来年からは 「消費税」 の問題も出てくるし、、頭が痛い。
「頼むから、何とか。 何とか下がってくれー!!」
「空売り」 を入れた相場師よろしく、、、今はただ、天に向かって祈るばかりなのだ。
金・銀の値段は、一体どこまで上がるのか?
このところやや落ち着いてはきたとは言え、今月半ばには銀が 「グラム90円」 、金が遂に 「グラム5000円」 を突破し、32年ぶりの高値となったのだ。
確か去年も同様の話しをしたような気がするが、、、あの時はそろそろ落ちてゆくと思っていた。
しかし実際には、それからグイグイと上がり続けたわけだ。
金や銀の値段が上がると、一体何が困るのか?
投資目的で先物相場をやっている方にとっては悪いことではない筈だが、私にとっては困る。
何故なら時計の値段が上がってしまい、、、商品を仕入れのが難しくなるからだ。
ステンレスやニッケルケースの時計に関しては問題ない。
しかし 「アンティークのポケットウォッチ」 に関して言えば、ハイグレードな時計は圧倒的にK14やK18の 「ゴールドケース」 のものが多くなるのだ。
そもそも私が昔から付き合っているアメリカやヨーロッパの時計商は、元々 「Pawn Broker」 の連中が多い。
「Pawn Broker」 とは日本で言うところの 「質屋」 で、、、元々は日々持ち込まれる金銀のジュエリーや時計等の評価額に応じて一定額を 「貸付け」、若しくは 「買取り」 する商売だ。
彼らがそれぞれのジュエリーや時計を評価する際のベースになっているのは 「金銀の重量」
近年でこそ時計屋らしく 「銘柄や状態」 によってそれなりの評価をするようになっているが、、、ついこの間までは、時計を量りに乗せて目方を測り 「ハイ、これなら100ドルね」
子供の頃の 「焼き芋屋」 のような調子だったのだ。
例えばここに、50ミリ程度の 「K18の大振りなポケットウォッチ」 があったとしよう。
こんなサイズの時計だと、時計の重量が150グラム、ケース単体で計っても100グラム近いものもある。
仮にケースが100グラムだった場合、この時計を彼らが買い取る際の目安は、おおよそ 「100グラム×¥3400(K18単価・1/29現在)」 が基準になるから、、、これは日本円にして約 「¥340.000」
これがK18の値段が¥2000であったつい数年前なら、「100フラム×2.000円で¥200.000」 、つまり同じ時計でも、地金ベースで¥140.000もの違いが出る訳だ。
問題は 「値段」 だけではない。
金銀地金が高騰すると、多くの金時計は 「裸」 にされてしまうのだ。
例えば、先述のような立派なゴールドケースに入った時計が店頭でしばらく売れ残り、そしてそのうち地金の値段が更に跳ね上がったりすると、、、?
そう。
当面の利益確保の為、ケースはムーブメントとバラバラにされ 「スクラップ」 行き。
つまり手っ取り早く 「地金」 として売却され、、、専門業者によって溶かされてしまうのだ。
こうして、昔から金銀の相場が上昇するたびに大量の時計が 「裸ん坊」 にされ、、、結果、完全な状態のアンティークウォッチは、年々少なくなってゆく。
「アンティークウォッチの愛好家」 が確実に増え続けているのに 「良品」 は少なくなってゆくから、当然「需要過剰」 になる。
そこへ持ってきて 「地金の高騰」 が追い討ちをかけるのだから堪らない。
「店にある時計が高く売れていいじゃないか!」 と思う向きもあるようだが、、、実際には、余程のことがない限り、既存商品の値段を上げることなど考えられないのだ。
その他、「ケースの修理」 「ベゼルの製作」 等、うちでは毎月結構な量の金銀材料を注文しているが、これらの値段は問答無用に 「時価ベース」 で上下する。
もっともこれらに関しては、仕方なくお客様にその分の負担をお願いしているが、、。
今後、一体どういうことになってゆくのか?!
そうでなくとも、来年からは 「消費税」 の問題も出てくるし、、頭が痛い。
「頼むから、何とか。 何とか下がってくれー!!」
「空売り」 を入れた相場師よろしく、、、今はただ、天に向かって祈るばかりなのだ。