今日、日曜日のブログ 「時計雑誌のコミック」 に、件の漫画の画像を貼り付けました。
ご興味のある方は、、、是非とも笑ってやって下さい。
さてさて、「笑う」 といえば、、、最近 「笑うに笑えない」 出来事があった。
先月、中学の同窓会に参加したのは、この場でご紹介した通り。
大半の連中とは35年ぶりの再会だったが、、、そんな中 「背高のっぽのB」 は 「ジャンクヤード」 の近所に住んでおり、時折店に寄ってはライターや指輪を買ってくれていた。
といっても、それ自体が既に20年以上も前のこと。
やがて、若くして郊外に家を建てたBは引っ越してゆき、、、以来顔を合わせることはなかったのだ。
同窓会で再会し、お互い昔話に花を咲かせているうち、、、「ああ、そうだ!」
想い出したように、Bが言った。
「俺の腕時計、あちこち相談したけど古いから直らない、って言われて諦めてたんだ。 お前のところで直せないかな?!」
年式やメーカーを聞いたところ、時計は 「1950年頃のロンジンの腕時計」 とのこと。
特に水没させたりした訳ではなく、、、長年分解掃除せずに愛用しているうち、いつの日か動かなくなったらしい。
「今度店に送ってくれよ。 直るのは間違いないから」
そんな訳で送られてきた腕時計。
いくらか錆びている部品があるくらいで、部品の状態には大きな問題がなかったが、、、調整関係は甘かった。
まず 「ヒゲゼンマイの中心」 が調整しきれていない。
更に 「テンプ」 にはかなりの片重りが残っており、、、それが原因で、姿勢変化による歩度のバラ付き、いわゆる 「姿勢差」 が大きい状態。
部品が錆びているのは持ち主の使い方の問題だが、、、調整不良に関しては、純粋に 「時計屋の腕」 の問題。
これでは動かなくなる前も結構な誤差があった筈だが、、、鷹揚なBは、特に気にしていなかったようだ。
一通りの処置が済んだ日の夜、Bに電話を入れた。
「えっ、直ったか! いやー、ありがとう! 恩に着るよ。 金はすぐに払うから振込先を教えてくれ。」
「うん、こちらこそありがとう。 それはそうと、最後に修理に出した時計屋はどこだ?」
ちなみに、それが時計の持ち主と懇意にしている時計屋だったりした場合には問題になるから、こういうことは普段あまり聞かない。
しかし相手が同級生だったこともあり、、、ちょっと聞いてみたくなったのだ。
返ってきた答えは、予想外だった。
「えっ? ああ、それが1度もやってないんだ。 20年前にお前のところで買って以来、一度も手入れしないで使ってた。 やっぱり機械物はメンテナンスしないとダメだよなー。 今度からちゃんとするから、その時は頼むな。」
「そ、、、そうか、分った。 うん、それじゃ近々一杯やろうな。」
「オーケー。それじゃ。」
「、、、」
受話器を置いた私は、、、しばらく口がきけなかった。
頬っぺたが少し熱い。
開店して間もない 「ジャンクヤード」 で、、、「B」 に時計を買ってもらったことすら忘れていた。
しかし、ショックだったのはそのこと自体ではない。
当時 「ジャンクヤード」 にいたのは、私と今のカミさんだけ。
ということは、、?
自虐的な笑いが込み上げてきた。
その時計を最後に整備した 「へぼ時計屋」 とは?
「しょうがねェな、こんな仕事してー」 などと、内心毒づいていたその相手とは?
他の誰でもない、、、20年前の 「私自身」 だったのだ!
ご興味のある方は、、、是非とも笑ってやって下さい。
さてさて、「笑う」 といえば、、、最近 「笑うに笑えない」 出来事があった。
先月、中学の同窓会に参加したのは、この場でご紹介した通り。
大半の連中とは35年ぶりの再会だったが、、、そんな中 「背高のっぽのB」 は 「ジャンクヤード」 の近所に住んでおり、時折店に寄ってはライターや指輪を買ってくれていた。
といっても、それ自体が既に20年以上も前のこと。
やがて、若くして郊外に家を建てたBは引っ越してゆき、、、以来顔を合わせることはなかったのだ。
同窓会で再会し、お互い昔話に花を咲かせているうち、、、「ああ、そうだ!」
想い出したように、Bが言った。
「俺の腕時計、あちこち相談したけど古いから直らない、って言われて諦めてたんだ。 お前のところで直せないかな?!」
年式やメーカーを聞いたところ、時計は 「1950年頃のロンジンの腕時計」 とのこと。
特に水没させたりした訳ではなく、、、長年分解掃除せずに愛用しているうち、いつの日か動かなくなったらしい。
「今度店に送ってくれよ。 直るのは間違いないから」
そんな訳で送られてきた腕時計。
いくらか錆びている部品があるくらいで、部品の状態には大きな問題がなかったが、、、調整関係は甘かった。
まず 「ヒゲゼンマイの中心」 が調整しきれていない。
更に 「テンプ」 にはかなりの片重りが残っており、、、それが原因で、姿勢変化による歩度のバラ付き、いわゆる 「姿勢差」 が大きい状態。
部品が錆びているのは持ち主の使い方の問題だが、、、調整不良に関しては、純粋に 「時計屋の腕」 の問題。
これでは動かなくなる前も結構な誤差があった筈だが、、、鷹揚なBは、特に気にしていなかったようだ。
一通りの処置が済んだ日の夜、Bに電話を入れた。
「えっ、直ったか! いやー、ありがとう! 恩に着るよ。 金はすぐに払うから振込先を教えてくれ。」
「うん、こちらこそありがとう。 それはそうと、最後に修理に出した時計屋はどこだ?」
ちなみに、それが時計の持ち主と懇意にしている時計屋だったりした場合には問題になるから、こういうことは普段あまり聞かない。
しかし相手が同級生だったこともあり、、、ちょっと聞いてみたくなったのだ。
返ってきた答えは、予想外だった。
「えっ? ああ、それが1度もやってないんだ。 20年前にお前のところで買って以来、一度も手入れしないで使ってた。 やっぱり機械物はメンテナンスしないとダメだよなー。 今度からちゃんとするから、その時は頼むな。」
「そ、、、そうか、分った。 うん、それじゃ近々一杯やろうな。」
「オーケー。それじゃ。」
「、、、」
受話器を置いた私は、、、しばらく口がきけなかった。
頬っぺたが少し熱い。
開店して間もない 「ジャンクヤード」 で、、、「B」 に時計を買ってもらったことすら忘れていた。
しかし、ショックだったのはそのこと自体ではない。
当時 「ジャンクヤード」 にいたのは、私と今のカミさんだけ。
ということは、、?
自虐的な笑いが込み上げてきた。
その時計を最後に整備した 「へぼ時計屋」 とは?
「しょうがねェな、こんな仕事してー」 などと、内心毒づいていたその相手とは?
他の誰でもない、、、20年前の 「私自身」 だったのだ!