Masa’s Pastime

2012年07月27日

「あるミュージシャン」 その2

普段の私は、殆ど音楽ど聴くことがない。




「殆ど」 というのは、、、釣行の往復の車中で、眠気覚ましにCDを掛けることはあるから。




でも自分では、CDのプレイヤーもカセットデッキもウォークマンも持っていない。


元々、音があると聞いてしまう性質だからBGMも苦手で、、、パスタイムでも最小限にしている。



そんな私だが、10代初めから20代半ばくらいまでは人並みに音楽に興味があって、、、、家でギターをつま弾いては 「鳥が首を絞められたような声」 で歌ったりしていたのだ。





四半世紀前のロサンゼルス。




20代半ばだった私は、ある夜、北ハリウッドのはずれに向かって、ポンコツのハンドルを握っていた。




目指す先は、「ベイクドポテト」 という小さなライブハウス。





その名の通り、大きなベイクドポテトが名物の、、、小さくてアットホームな店。


毎日日替わりで違ったミュージジャンが出演するタイプの店ではなく、、、普段出演するのは専属のレギュラーバンド。




そして、時折ゲストが出演する日もある、といった感じだった。





しかし、そのレギュラーバンドが凄い。




リーダーのピアニストは、ミュージジャンというより 「年老いたレスラー」 といった風貌。


ところがその見た目とは裏腹に、、、非常に知的で繊細な旋律を奏でるのだ。




その他、トランペット、ベース、ドラム、、それぞれが皆一流で、尚且つ味のあるキャラクター揃い。



そして何よりも、個々の 「職人」 の研ぎ澄まされた技術が、、、曲の終盤に向けて見事に融合してゆく。



その感覚に、完全にシビレた。





ある時、たまたま知り合いに連れてこられた私は、このレギュラーバンドがすっかり気に入ってしまい、、、以後、バイト代を貯めては、せっせと彼らの演奏を聴きに行くようになっていたのだ。






(続く)


posted by Masa’s Pastime at 18:23 | Comment(0) | 新着情報
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