Masa’s Pastime

2012年07月18日

「夏休み」 その4

「生みの苦しみ」 から解放された私は、手洗いもそこそこにトイレから飛び出してJALのチェックインカウンターに駆けつけた。




しかし、カミさん達は、どこにも見えない、、。



カウンターには、チェックインを待つ人々が列をなしていたが、、、特に急いでいる様子はないから、どうやら、皆 「別の便」 の搭乗客のようだ。





頭上の掲示板で確認したところ 「6時20分の那覇行き」 は、、、定刻通りの出発予定。




むしろ、少々遅れてくれていたら助かったのだが、、。




それにしても、、残り時間が無い。



私達以外の乗客は既に座席に腰掛けて、、、、飛行機の離陸を待っている筈なのだ。





なんとか事情を話そうと、カウンター前に立ったその時、、。



「父ちゃん!!」



声の方を振り向くと、、、難民のように荷物を満載したカートを押している、カミさんと子供達が見えた。




ほぼ同時に 「JAL〓〓便にて那覇に向かうお客様、いらっしゃいましたら、至急お申し出下さい!」




地上職員の、緊迫した叫び声。




「お願いします!!」




すがりつくように駆け寄った私達に、テキパキと優先的な搭乗手続きが行われた。





手続き後、職員付き添いのもと、大急ぎでセキュリティーチェックへ。




ところが、ここでも私は失態を演じてしまった。




腰に着けていたウエストポーチに、「アンティークのサバイバルキット」 が入っていて、、、セキュリティーで止められてしまったのだ!





ポケットサイズのキットには、「ナイフ」 やら 「ヤスリ」 やら 「危険物」 と見なされるものが色々付いている。




当然、機内には持ち込めないから 「預け荷物扱い」 にするしかないが、、、手続きをしている時間は、、、ない。




その場で 「いらない」 と言って放棄すればそれで済むことだが、、、そうはいかなかった。



何故なら、、、これは2年前に亡くなった 「シカゴのボブさん」 から、生前に譲り受けたものなのだ。





「なんで同じ失敗を繰り返すのよー!」




私に食って掛かる長女。




無理はない。




このウエストポーチは去年の沖縄旅行の際にもしていたものだが、、、私はその時も全く同じことをしでかして、搭乗前にバタバタしたのだ。





「じゃ、どうされますか?」



私にそう訊いたセキュリティーの男性職員は、少し苛立っていた。



「んー、、、。」 



時間は無いが、妙案が浮かばず、、、しばし沈黙。 




「分りました。 なんとかやってみましょう!」




付き添ってくれていたJALの女性職員はそう沈黙を破り、、、私と一緒にチェックインカウンターに走って戻るとそこの同僚に掛け合い、猛烈な勢いで手続きを済ませてくれた。






こうして 「怒涛の起床」 から約1時間20分後の6時20分過ぎ、、、周囲に散々迷惑を掛けながら、ボサボサ頭の私達一家は、機上の人となったのだ。






(続く)

posted by Masa’s Pastime at 08:45 | Comment(0) | 新着情報
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