Masa’s Pastime

2012年07月08日

「夏休み」 その2

そのうち、、、ふと目覚めた。




ちょっと二日酔い気味、、。



まだ皆寝ているし、携帯電話のアラームも鳴っていないから、起きたのが早過ぎたかな?と思ったが、、、何か様子がおかしい。




ボンヤリと霞が掛かったような頭がハッキリしてくると、、、何と、カーテン越しに朝日が射して、部屋が薄明るくなっているではないか!






「いかんっ!」




瞬間身体に電気が走ったように感じて、跳ね起きた。



居間に飛び込んで壁に掛かった安物のクオーツ時計を見る上げると、、、「5時10分過ぎ」 を指している!



自分の勘違いであって欲しいと願いながら、飛行機の出発時間を確認したが、、、残念ながら 「6時20分発那覇行き」 に間違いなかった。






「起きろっ! 間に合わない!」




大声で叫ぶと、全員が飛び起きた。




カミさんや長女は 「エーッ!」 とか 「何でー!?」 などと叫びながら慌てて着替え始め、、、事態を察した次女は、大声で泣き出した。




「何でもいいからそのまま出ろ!」




一秒でも早く出発しなければ、、、というより、既に望みは薄いのだ。






一瞬、家中がパニック状態になった。



玄関にあった大量の荷物を抱えられるだけ抱えて飛び出した私は、エレベーターのボタンを押したが、、、なかなか上がって来ない。




「早く、早く!」



やっとのことで地上に降り、追いついてきた家族と荷物を車に叩き込むと、、、車のデジタル時計は、 「5時18分」 を表示していた。





大急ぎで 「中央高速国立インター」 に向かいながら、頭の中で逆算する。




羽田の出発時刻は 「6時20分」



その20分前に滑り込みでチェックイン出来たとしても、、、チェックインカウンターに、6時までに入らなければならない。




空港の駐車場に車を入れる時間も考えると、、、残された時間は、最大 「35分」 か。




しかし 「国立インター」 まででも、最低10分以上は掛かるのだ。



悔しいが、、、まず間に合わないだろう。






「イヤだー! 行きたかったー。 何で起きなかったのー?!」




後部座席で、激しく泣き続ける次女。




その次女をなだめながら、、、自分も泣き出しそうな顔をして、次の出発便の空席状況を調べるカミさん。



そして、既に覚悟したのか諦めたのか、、、助手席でおとなしく座っている長女、、。





カミさんによると、次の 「那覇行き」 の便は、いくらか空席があるようだ。



しかし 「那覇→久米島」 の便は、、、少なくとも3日間は 「満席」 らしい。




つまり那覇までは行けても、、、久米島には飛べないということ。



いくらも乗れない小さなプロペラ機だから、、4人分のキャンセル待ちをしても無駄だろう、、。





「久米島行きたかったよー!」 泣き止まない次女、、。



無理もない。



この日を、指折り楽しみにしてきたのだ、。





「国立インター」 に向けて乱暴にアクセルを踏み込みながら、、、私は寝坊した自分の頭を引っ叩きたくなっていた。






(続く)


posted by Masa’s Pastime at 15:18 | Comment(0) | 新着情報
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