そのうち、、、ふと目覚めた。
ちょっと二日酔い気味、、。
まだ皆寝ているし、携帯電話のアラームも鳴っていないから、起きたのが早過ぎたかな?と思ったが、、、何か様子がおかしい。
ボンヤリと霞が掛かったような頭がハッキリしてくると、、、何と、カーテン越しに朝日が射して、部屋が薄明るくなっているではないか!
「いかんっ!」
瞬間身体に電気が走ったように感じて、跳ね起きた。
居間に飛び込んで壁に掛かった安物のクオーツ時計を見る上げると、、、「5時10分過ぎ」 を指している!
自分の勘違いであって欲しいと願いながら、飛行機の出発時間を確認したが、、、残念ながら 「6時20分発那覇行き」 に間違いなかった。
「起きろっ! 間に合わない!」
大声で叫ぶと、全員が飛び起きた。
カミさんや長女は 「エーッ!」 とか 「何でー!?」 などと叫びながら慌てて着替え始め、、、事態を察した次女は、大声で泣き出した。
「何でもいいからそのまま出ろ!」
一秒でも早く出発しなければ、、、というより、既に望みは薄いのだ。
一瞬、家中がパニック状態になった。
玄関にあった大量の荷物を抱えられるだけ抱えて飛び出した私は、エレベーターのボタンを押したが、、、なかなか上がって来ない。
「早く、早く!」
やっとのことで地上に降り、追いついてきた家族と荷物を車に叩き込むと、、、車のデジタル時計は、 「5時18分」 を表示していた。
大急ぎで 「中央高速国立インター」 に向かいながら、頭の中で逆算する。
羽田の出発時刻は 「6時20分」
その20分前に滑り込みでチェックイン出来たとしても、、、チェックインカウンターに、6時までに入らなければならない。
空港の駐車場に車を入れる時間も考えると、、、残された時間は、最大 「35分」 か。
しかし 「国立インター」 まででも、最低10分以上は掛かるのだ。
悔しいが、、、まず間に合わないだろう。
「イヤだー! 行きたかったー。 何で起きなかったのー?!」
後部座席で、激しく泣き続ける次女。
その次女をなだめながら、、、自分も泣き出しそうな顔をして、次の出発便の空席状況を調べるカミさん。
そして、既に覚悟したのか諦めたのか、、、助手席でおとなしく座っている長女、、。
カミさんによると、次の 「那覇行き」 の便は、いくらか空席があるようだ。
しかし 「那覇→久米島」 の便は、、、少なくとも3日間は 「満席」 らしい。
つまり那覇までは行けても、、、久米島には飛べないということ。
いくらも乗れない小さなプロペラ機だから、、4人分のキャンセル待ちをしても無駄だろう、、。
「久米島行きたかったよー!」 泣き止まない次女、、。
無理もない。
この日を、指折り楽しみにしてきたのだ、。
「国立インター」 に向けて乱暴にアクセルを踏み込みながら、、、私は寝坊した自分の頭を引っ叩きたくなっていた。
(続く)
ちょっと二日酔い気味、、。
まだ皆寝ているし、携帯電話のアラームも鳴っていないから、起きたのが早過ぎたかな?と思ったが、、、何か様子がおかしい。
ボンヤリと霞が掛かったような頭がハッキリしてくると、、、何と、カーテン越しに朝日が射して、部屋が薄明るくなっているではないか!
「いかんっ!」
瞬間身体に電気が走ったように感じて、跳ね起きた。
居間に飛び込んで壁に掛かった安物のクオーツ時計を見る上げると、、、「5時10分過ぎ」 を指している!
自分の勘違いであって欲しいと願いながら、飛行機の出発時間を確認したが、、、残念ながら 「6時20分発那覇行き」 に間違いなかった。
「起きろっ! 間に合わない!」
大声で叫ぶと、全員が飛び起きた。
カミさんや長女は 「エーッ!」 とか 「何でー!?」 などと叫びながら慌てて着替え始め、、、事態を察した次女は、大声で泣き出した。
「何でもいいからそのまま出ろ!」
一秒でも早く出発しなければ、、、というより、既に望みは薄いのだ。
一瞬、家中がパニック状態になった。
玄関にあった大量の荷物を抱えられるだけ抱えて飛び出した私は、エレベーターのボタンを押したが、、、なかなか上がって来ない。
「早く、早く!」
やっとのことで地上に降り、追いついてきた家族と荷物を車に叩き込むと、、、車のデジタル時計は、 「5時18分」 を表示していた。
大急ぎで 「中央高速国立インター」 に向かいながら、頭の中で逆算する。
羽田の出発時刻は 「6時20分」
その20分前に滑り込みでチェックイン出来たとしても、、、チェックインカウンターに、6時までに入らなければならない。
空港の駐車場に車を入れる時間も考えると、、、残された時間は、最大 「35分」 か。
しかし 「国立インター」 まででも、最低10分以上は掛かるのだ。
悔しいが、、、まず間に合わないだろう。
「イヤだー! 行きたかったー。 何で起きなかったのー?!」
後部座席で、激しく泣き続ける次女。
その次女をなだめながら、、、自分も泣き出しそうな顔をして、次の出発便の空席状況を調べるカミさん。
そして、既に覚悟したのか諦めたのか、、、助手席でおとなしく座っている長女、、。
カミさんによると、次の 「那覇行き」 の便は、いくらか空席があるようだ。
しかし 「那覇→久米島」 の便は、、、少なくとも3日間は 「満席」 らしい。
つまり那覇までは行けても、、、久米島には飛べないということ。
いくらも乗れない小さなプロペラ機だから、、4人分のキャンセル待ちをしても無駄だろう、、。
「久米島行きたかったよー!」 泣き止まない次女、、。
無理もない。
この日を、指折り楽しみにしてきたのだ、。
「国立インター」 に向けて乱暴にアクセルを踏み込みながら、、、私は寝坊した自分の頭を引っ叩きたくなっていた。
(続く)