Masa’s Pastime

2012年11月16日

「Made in Japn」 の危機

最近こんなことがあった。



パスタイムで使っている時計収納用の箱(ご購入いただいた時計を入れてお渡しする為のもの)が残り少なくなってきたので問屋に追加オーダーを入れたところ、同型の商品は 「生産中止になった」 と言う。



仕方が無いので 「少々違うタイプのものでもいいから同じようにPastimeのロゴを入れて」 と頼むと、今度は 「それも出来なくなった」 と言う返事。



理由を尋ねたところ、 「最近は海外の製造者が完成品を送ってくるだけの形態になった為、そういう融通が効かなくなった」 ということだった。





要するに、うちで長年お願いしているケース問屋は最近 「海外の製品を仕入れて販売するだけ」 になったようで、、、どうやら以前取引していた国内の製造元は、消滅してしまったらしい。



代替品を探す為慌ててあちこち問い合わせてみたが、、、驚いたことに他の問屋も似たり寄ったりの返答だったのだ。





こういったケースが、最近いやに増えている。



以前にも某大手バンドメーカーに 「カスタム腕時計用の金属ブレスレット」 の製作をお願いしたところ、そのあまりに膨大な 「最低ロット数」 に驚き、、、結局注文を見合わせざるを得ないことがあった。



事情を聞いたところ、、、担当者は少々言いにくそうに 「現地の方では大ロットの注文以外一切やらないもんで、、」 と。





この場合の 「現地」 とは、言わずと知れた中国のこと。



確かに中国での製造業は、「超大量生産」 であることは周知の事実。



「大規模な工場」 「安価な労働力」 を武器に、同じものを信じがたいほどの数量作り、一つあたりのコストを下げて世界中の問屋に卸すスタイル。



それなりに完成した 「トゥール・ビヨンの腕時計」 が10万円台の価格で流通する裏には、こういったカラクリがあるのだ。





まあ、それはそれでいい。



とにかく 「安くで沢山欲しい」 問屋にとっては好都合なスタイルだし、私達エンドユーザーにしても 「皆と同じもので構わない」 というタイプの物、例えば日用雑貨品などに関しては、安くて悪いことなどあろう筈がない。



事実私なども 「100円ショップ」 などでこういった品物のお世話になっている。



例えば 「メモ帳」 や 「ハンガー」、「封筒」 などといった 品物の 「質」 が重要視されない類の商品に関しては、大いに重宝するものだ。





しかし問題は、 「10人一からげでないものが欲しい」 場合。



市場に大量に出回っているものではなく、、「一味違ったもの」 「より手の込んだ作りのもの」 を求めた場合。





こういったものの製造元まで中国、その他東南アジアに拠点を移したり、または現地メーカーに製造を委託したり 「問屋化」 したりするとどうなるか?



かつて普通に可能だった 「ちょっとここをこうした商品を作って欲しい」 などという 「少数派の要望」 に対応出来るメーカーなどなくなってしまい、、、先述の 「時計の箱」 同様、ユーザーは途方に暮れるのだ。





ただの時計の箱。



それから時計のブレスレット。



しかしこのままでは、いつの日か我が国から全ての製造業が消えてなくなる日が来るのでは?!



そんな危惧すら抱くような、、、、薄気味の悪い出来事だったのだ。


posted by Masa’s Pastime at 14:55 | Comment(0) | 新着情報
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス(ブログには公開されません):

ホームページURL:

コメント:

認証(表示されている文字列を入力してください):
n4bw