月曜の釣りは、いつもながらの貧果だった。
久し振りに空は晴れ渡り、風もなし。
まさに絶好の 「釣り日和」 だったのに、、。
日が落ちた船着場で4、5匹の小物をクーラーに収め、、、一旦は帰り支度をした。
しかし、、、どうにも不完全燃焼。
そこで 「せめて観賞用の魚でもいないかな」 と、網を持って船着き場をウロウロしたのだ。
既にあたりは真っ暗で、人っ子一人いない。
気がつかないうちに随分と日が短くなったなー、などと思いながら懐中電灯の灯りを頼りにあちこち探していると、、、何か不思議な格好をしたものが目に入った。
係留してある漁船の土手っ腹に沿うようにして、水面を漂っている魚?
近づいてよく見ると 「ミノカサゴ」 のようにユラユラと漂っているが、それにしてはヒレが短い。
取り敢えず持っていた網で慎重に掬い上げると、、、大人しく網に入ったと思ったら、水面から上げた瞬間バタバタと激しく暴れた。
バケツの中に入れた20センチくらいのその魚を懐中電灯で照らして、しばし観察。
「???」
「オコゼ」 のようだが、「脚」 や 「手」 がある。
身体中に海草のようなヒラヒラとした突起があり、目の上のあたりには 「アンコウ」 のような突起も。
どうやら 「イザリウオ」 のようだが?、、、今まで見たことのない色模様、そしてサイズ。
ダイビング屋だった頃見たのは皆 「黄色」 や 「赤」 っぽいヤツで、もっと可愛らしい大きさだったような気がするのだが、、。
連れて帰ったら明らかに他の小魚を食べてしまうような魚だが、、、逃がすにはあまりに惜しい?
魚好きな子供たちが大喜びすることは間違いないし、、。
ということで、、、結局我が家に連れて帰ってきた。
深夜、他の魚を食べないように100円ショップで買ってきた流し用のカゴを水槽に取り付け、そこに入れる。
朝起きたら、子供たちはどんな顔をするだろうか?
そして翌朝。
「キャーッ、、、何これ? おもしろーい」 と次女。
「イザリウオだと思うんだけどな」 と言う私に、「あーっ、父ちゃん、イザリウオって言っちゃいけないんだよ。 カエルアンコウ!」
と魚オタクの長女。
確かに、「イザル」 という言葉が差別用語に当たるということで、、、最近 「カエルアンコウ」 に変名された、という話しを新聞で見た気がする。
それにしても、、、どうみても手や足にしか見えない胸ビレや腹ビレ。
それでカゴの底を歩いたり泳いだり。
エラの後ろには1対の 「配水管」 があり、、、エラから吸い込んだ水はそこから勢い良く噴き出す。
一見グロテスクな容姿だが、、、よく見ると小さな目をして、中々可愛いのだ。
普通の 「カエルアンコウ」 とちょっと違っているところに関しては、今後調べてみるつもり。
もしかしたら結構な 「珍種」 かも?。
ということで、最近、家族に無視されがちだった私の水槽が、この 「珍客」 のおかげで、また少し人気が出てきたのだが、、。
ずっと小さなカゴに隔離して飼うわけにもいかないし、、、かと言って他の仲間が食べられても困る。
いずれ正体の調べが付いて気が済んだら、、、故郷の海に帰してやるつもりでいるのだ。