Masa’s Pastime

2012年09月12日

「猫の手」

先週末から、いよいよ新商品の 「品出し」 の準備が始まった。



それほど大量の時計がある訳ではないのだが、、、これが結構大変。




そもそも、「仕入れたまま」 になっている時計は、そのまま店頭に出すわけにいかない。



まず 「検品」、それから外装の 「掃除」、、、それが済んだら今度は 「写真の撮影」、それから最後に 「値付け」 がある。




まずは 「検品」



おかしな品物を店頭に出すわけにはいかないし、、、ある程度は分解して見なければいけない。



場合によってはこの時点で 「対象から外れる時計」 が出てくるが、、、そうでないものは、次に進む。




「掃除」 と言っても、いわゆる 「分解掃除」 の類ではなく、、、ケース等、外装の掃除だ。



入手した時計は、大抵 「長年そのまま」 になっていて、、、、「埃まみれ」 だったり、「手垢だらけ」 だったりになっている。



もっともそういったものに限って 「機械的な消耗」 は少ない傾向があり、決してそういうものが品質的に悪いわけではないのだが、、、「手垢で汚れた時計」 は、いくらなんでも見栄えが悪過ぎる。



、ということで、ムーブメントをケースから取り外して 「検品」 した時計は、、、再びケーシングする前に、ケース単体で 「洗浄」 しておくことになるのだ。




ここでちょっと横道に逸れるが、、、パスタイムであらかじめ時計を 「整備済み」 にしない理由は、3つある。



1つ目は、 「時間の問題」 



日々、全員がお預かりしている時計の修理その他に手一杯で、、、現実的に、あらかじめ商品の完全整備をしている暇はないのだ。




2つ目は、「納品のタイミング」 との関係



もし暇があって、全ての商品をあらかじめ 「完全整備済み」 に出来たとして。



どの時計がいつ 「お嫁に行く」 かは全く分らず、、、中には何年も店頭に残る物も出てくる。



仮にご購入いただくことになった時計が、整備後2年を経過しているものだったとすると、、、当然そのまま納品する訳にはいかなくなる。



目覚まし時計や柱時計ならまだしも、まともな機械式時計においては、「分解せずに完全に注油出来る物」 はないから、、、そうすると、結局は 「分解掃除のやり直し」 になってしまう訳だ。




3つ目は、ご購入時の 「ムーブメントの鑑賞」 が不可能になる点。



殆どの方が、ご購入時にはムーブメントの仕様・状態をじっくりご覧になる。



また私達店の人間も、その時計の仕様等を説明するために、ムーブメントをお見せするのが普通。



いくらじっくり機械を眺めて埃が飛び込もうと、、、、ご購入いただいてから改めて完全整備するものだから、問題ないのだ。



これがもし 「完全整備済み」 でそのままお渡しする時計だったら、、、絶対にそうはいかない。




さてさて、話しを元に戻すと、、、、外装の洗浄が終わった時計は、この後 「写真の撮影」 に入る。



「時計の写真」 を撮ったことのある方はお解りになると思うが、、、、これは結構難しい。



ガラスやケースに光が反射するし、文字盤にピントが合うと針がボケたりして、、、。



数が多くなると、これだけでも一仕事。




そして最後が 「値付け」



これは 「時間的には訳のない作業」 だが、、、全て私が担当することになり、他のスタッフに頼めない。



他の仕事で手が塞がっている時など、、「もう一人自分が居たらやらせるのになぁー」 という類の仕事だ。




さて、そうこうしている間にも店頭がバタバタしたり、メールの問い合わせにお答えしたりしているうち、、、、時間はどんどん過ぎ去り、9月も半ばに入ってきた。



「繁盛店」 でもないのに、、、、何故だか忙しい。



これからしばらくは、まさに 「猫の手でも借りたい」 状態が続きそうなのだ。


posted by Masa’s Pastime at 19:06 | Comment(0) | 新着情報
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス(ブログには公開されません):

ホームページURL:

コメント:

認証(表示されている文字列を入力してください):
p537