Masa’s Pastime

2012年03月09日

マサズパスタイム店主時計屋マサの脱線ノート

本日よりアメーバブログにて更新中の

吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

をこちらのサイトページにてご覧いただけるようになりました。
どうぞお楽しみください。




「複雑時計というパズル」

定期整備でお預かりした懐中時計を分解した。



時計は1900年頃の 「オーデマ・ピゲ製」 スプリットセコンドクロノグラフ・積算計付き。



この10年ほどの間に何度か整備している 「馴染みのある時計」 だが、見れば見るほど良く出来ている。




まずは針、文字盤、その下の歯車、と一つ一つの部品の状態を確かめながら、分解。



付加的な機能を搭載している時計だけに、あっちこっちの部品が噛み合い、重なり合い、、、向こうから伸びてきた部品の先っぽとこっちの部品のお尻が 「オシクラまんじゅう」 したりしている。




間違いのないように、慎重に慎重に。



故障箇所は以前全て修復済みの時計だから、、、どうやら新たに手を入れるべきところはなさそうだ


それでも、ちょっとした 「無理」 、ちょっとした 「横着」 、、そしてほんの僅かな 「うっかり」 が全てを台無しにするから要注意。




電話が鳴る。 メールが入る。 



でも、悪いが返事は全部後回し。



壊すのは簡単。 子供でも訳なく出来る。



でも、元通りに修復するのは、何十倍も何百倍も難しいのだ。




一通りバラバラにして綺麗に洗浄。 



一息ついて、、、あらためて思う。



これは100年前に仕組まれた、実に巧妙な 「パズル」 なのだ。



所定の場所に所定の部品がなければいけないのは 「ジクゾーパズル」 と同じだが、、、それだけではなくて、あちこちに 「地雷」 が隠されている。



「僅かに長さの違うネジ」 が入れ替わったことに気が付かなかっただけで、、、「裏側にある部品」 をブチ壊すことになるし。



そして無事全てが組み上がったとしても、最終的に 「作り手の意図通り」 に作動しなければ、、、全く意味がないのだ。




息をこらして組み上げ、注油、組み上げの連続。



いけねっ、ネジを一本入れ忘れたところがあった!



気を取り直して組み直し。



途中何枚か写真を撮り、作動具合を再確認して、、、ようやっとミッション完了。


 

さてさて、、、明日はどんなパズルが待っているのか、、。









posted by Masa’s Pastime at 19:57 | Comment(0) | 新着情報
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